『現役商社マンの太陽光投資』リスクとリターンに向き合う

仕事では100MW以上の売買経験、プライベートでも2基の太陽光を保有。『その投資、本当に大丈夫』という観点で、個人では中々知ることが出来ない『潜在的リスク』の確認方法等を説明し、投資判断に役立つ情報発信します!

投資リスク⑦_会社倒産リスク_販売店が倒産。。。頭金は?保証はどうなる?

会社リスク、販売店が倒産。。。保証はどうなる?

 

今回は、色々な太陽光サイトで案件を紹介してくれる販売店のリスクについて書きたいと思います。まず、販売店はいくつかの形態があります。

 

 

◆販売店の種類と特徴

①取次・仲介型販売店

 営業機能を主に行い、お客さんと実際に案件を保有している会社の間を取り持ちます。売買契約をすると、契約者は別もしくは3社契約となり、主体でないケースが多いです。

②自社開発案件保有型販売店

 自ら開発・保有した案件を直接販売。施工業者として建設免許や不動産免許等を持っているケース有り。

 

 《特徴》

まず①の特徴は営業が一本化されている為問合せの対応は丁寧であるが、資料開示や具体的な案件の話になると、少し時間が掛ります。ただ営業には慣れている為、契約書やお金周りは比較的スムーズで話が早く進みます。

②の特徴は、あまり交渉事は好みません。しかし具体的な案件の話や資料開示は直接関わっている為スムーズ。設備の仕様の話などは直接交渉しやすい傾向にあります。また要望の多いお客は好まれませんが、一生懸命案件を理解する事や、現地確認等は協力してくれる傾向にありますし、気に行って貰えると可愛がってくれるケースもあります。

 

 

◆販売店倒産のリスク

もし、頭金を払った後に倒産して、頭金が回収出来なかった?無事運転開始したが、営業運転中に販売店が倒産した場合、パネルの性能保証やPCS保証はどうなるの?

現に固定買い取り価格(FIT)が下がり始め、倒産する会社が相次いでおります。

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会社倒産リスク_販売店の倒産件数

 倒産件数と負債総額の推移 出典:帝国データバンク

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180701.pdf

 

結論から申し上げると、販売店が倒産した場合、頭金は帰ってこない可能性が高く、またパネル保証やPCS保証も無くなる可能性が高いです(倒産後に引継ぐ会社があれば別ですが)つまり、倒産しにくい業者選定がマストになります。

冒頭の①の取次・仲介型販売店の場合は、直接契約する先も合わせてチェックして下さい。①に与信力が無くても、実際に契約する先が一部上場等で有ればリスクは減ります。

 

◆倒産しにくい業者の選び方

①インターネットで業者を確認

 ・施工実績はあるか。

 ・資本金は十分か。

 ・太陽光以外の事業を行っているか

(太陽光に偏っていると太陽光事業に陰りがあると倒産リスクが高くなります)

 

※宅地建物取引の免許を取得しているか。

 こちらは宅建業法のルール上、宅建業者は営業保証金を、最低1000万円、事務所が増える度に+500万円を供託(三者に貯金)しないといけません。これは消費者を守る観点でルール化です。つまり、土地に関することであれば、何かあった場合は供託所に駆け込めば一定程度は保証して貰える可能性が有ります。設備等は直接関係ございませんが、宅地建物取引業者のライセンスを持った会社はそれなりに信頼できます。

 

②会社謄本をチェック

下記の登記が閲覧できるサイトにアクセスし、「一時利用」にて会社謄本を取得。会社の所在地と会社名が分かれば謄本取得可能です。

https://www1.touki.or.jp/gateway.html

 

 ・そもそも法人として登記されているか。

・事業内容(目的)があやしくないか。

 ・資本金の金額

 ・法人名、株主、所在地の変更の頻度が高くないか。

 

③信用調査会社から与信調査

こちらも有料となりますが、最低3千円から利用可能です。

契約前には一度は実施頂きたい。

 

http://www.tsr-net.co.jp/service/product/tsr_van2/price/index.html

 

ランク分けでの会社自体の定量評価をしており、決算書等で倒産リスク等も確認することが出来ます。怪しいけど、メリットもあるし契約をしたいと思った際は確認することをお勧めします。

 

④銀行にチェックして貰う。

取引を行う銀行に、与信の観点から問題ないか確認頂く。銀行はお金を司るプロですので、与信チェックは得意です。融資額が一定程度であれば、要望しなくても実施しているケースが多いです。ただし、アプラスやジャックス及びイオン等の信販会社は行っておりません。

 

直接会って話す。

対面で話す事が、不安を払拭する一番の内容かと思います。信頼できそうな人か誠実な対応をしてくれているか等。上記が悪く、そのリスクを分かってもこの担当者なら!と思えるような素敵な営業の方にも巡り会えることもあります。 人情は良くも悪くも、破壊力抜群ですね。

 

※色々書きましたが、与信のない会社でしたが、私自身この人と仕事がしたいと思い担当者と色々試行錯誤を行い、一部上場の施工会社に入って貰いそこからの直接契約で設備を、販売店からは土地をというような形で契約締結に漕ぎつけたケースもあります。

 

 

◆倒産することを見据えた手当て

・早い段階で、設備IDとパスワードを入手し、FITの権利は確保する。

・頭金は、土地の契約及び登記とセットで行う。

 ⇒仮に倒産となっても土地の権利があるので、最悪は売却する等の対応可能。

・パネル保証やPCS保証は、直接契約(売店を通さない)となるようにして貰う。

・信用力のある施工会社を間に入れ、設備は施工会社と直接契約を締結する。

・パネルやPCSは流通量の多いメーカーを選定する。

 

たとえ一部上場会社でつぶれないと思った会社でも、当たり前のように倒産が起こっております。あくまでも現時点でのリスクヘッジです。販売店や銀行からすると「個人が自己破産しないか、お金を返せる能力はあるか」の方がよっぽど重要です。疑うだけではなく、お互い様という気持ちで協力して進められるといいですね!

また上記は個人向けの中古市場は分かりませんが、会社の中古市場(セカンダリ-マーケット)では上記対策を取っていると売却価格に響いてきます。リスクプレミアム評価というものを実施している為です。参考になれば幸いです。

 

以上です。

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