『現役商社マンの太陽光投資』リスクとリターンに向き合う

仕事では100MW以上の売買経験、プライベートでも2基の太陽光を保有。『その投資、本当に大丈夫』という観点で、個人では中々知ることが出来ない『潜在的リスク』の確認方法等を説明し、投資判断に役立つ情報発信します!

投資リスク⑥_その日射量って本当に正しい?10%の発電量ダウンも

Mihoです。今回は初めてのお昼のアップです。

 

日射量は発電所売上を大きく左右する重要なファクターです。しかし、ほとんどの方が日射量についてNoチェックで販売店が想定する発電量を鵜呑みにしているではないでしょうか。

私が今までお仕事させて貰った売店さんの約50%が日射量を正確に記載していない状況でした。今回はそのチェック方法とそれが与える影響について記載します。

 

◆日射量とは

日射量とは太陽光発電のエネルギーの根幹にあり、日射量が多いともちろん多く発電しますし、少ないと発電量は少なくなります。発電量はそもそも、パネル容量×日射量×発電効率(パフォーマンレシオ)で求められます。

しかし、その重要なファクターである日射量について、困った事に販売店によっては当てにならない日射量を記載し、発電量をかさまししているケースが多く見受けられます。現にすでに太陽光発電所を購入された方でも発電予想が実績を上回らないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで推奨したい日射量確認ツールはNEDO日射量データベース」です。こちらは信頼出来る国立研究開発法人で、無料で各地点の日射量を掲載しております。上場会社の用いる発電量予想はこちらをベースにしていることが多いです。

※閲覧は嬉しいことに、無料です!!

 

http://app0.infoc.nedo.go.jp/index.html

 

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投資リスク_日射量チェックサイト

 

こちらのデータベース用いると統計的に3%ぐらい実績が上ブレする傾向があります。太陽光業界ではこちらをスタンダードとして用いております。そもそも日射の置き方が違うとそもそも案件の比較が「apple to apple」出来ません。予想を上ブレでみるかは別としても、こちらを発射台にして検討すべきかと思っております。

 

≪使い方≫

①上記URLにアクセス。

MONSOLA-11(緑色)を選択

③マップ上で発電所建設予定地の近いエリアを選択(例:東京)

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(サンプル)日射量_地点東京

 

④左側の『データー一覧表の表示』をクリック

⑤月平均斜面日射量という資料が表示され、現在予定しているパネル角度と方位を確認し、(例:真南でパネル角度が10°の場合は下記をチェック)

⑥月次で日射量が展開されている値と、年間日射量をチェック

(例:真南、パネル角度10°で、東京年間平均日射3.53kWh/㎡・day)。

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(サンプル)日射データ_データ参照


 

⑦販売店が提示した発電量予想の日射量チェック(⑥と比較)

  (そもそも日射量の開示が無い場合は、日射量の開示を受けた上でチェック)

 

NEDOの日射量地点で、丁度良い地点が無い場合は、合理的に近いエリア(2~3個所)の平均値を用いるケースもあります。

 

≪販売店の実際に有った営業例≫

 ・「NEDOベースの発電量予想をお願いします」と言った所、売電売上が6%下振れ

 ・NEDOベースと説明があったが、地点を確認した所誤りが有り。売電売上が7%下振れ

 ・角度が10°と説明を受けたが、20°の日射で発電量予想を。売電売上で3%下振れ

 

上記のように、(素人だから分からないだろうと)ずさんな発電量予想をされているケースが多大にあります。ただし、難しいのがNEDOを使うのがルール化されている訳でもなく、販売会社が試算した発電量も何かの根拠が有る可能性があるので、単純に否定は出来ませんのでご注意ください。あくまでも参考までに、「日射量はNEDOベースで発電量をご提示頂けますか」と聞いて頂きたい。

 

 傾向としては、大手販売店企業になるとこのようなミス(悪意?)は少なくなります。何も知らないと発電量が多く利回りの良い案件に飛びついてしまいがちですが、精査をしてみると一見利回りが良くないと思った案件がリスク等を踏まえると一番利回りが良い事があります。

 

以上。

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