『現役商社マンの太陽光投資』リスクとリターンに向き合う

仕事では100MW以上の売買経験、プライベートでも2基の太陽光を保有。『その投資、本当に大丈夫』という観点で、個人では中々知ることが出来ない『潜在的リスク』の確認方法等を説明し、投資判断に役立つ情報発信します!

投資リスク③‗落雷、積害、風害リスクの検証方法

こんばんは!Mihoです。日射が良い日が続いてますね! 

太陽光のハイシーズン到来です。
さてさて、本日は落雷、積害、風害リスクについてお届けします!

今回紹介の内容は、地震津波及び土砂災害と比べ、レベル感は劣ります。

理由としては被害があったからとしても、全損は中々考え難く

且つ一般的な保険でも設備補修の観点では賄えると考えられる為です。
位置付けとしては、利回りや案件リスクがほぼ同等の場合に、
初めて比較するレベル感で問題ない
(サッカーで言うと、残りの1~2枠のベンチ入りを誰にするかというレベル)。
だからと言って、それを知らずに購入するのは望ましくない。そこを見落とすことで、事業が継続できなくなるリスクもあります(ギリギリベンチ入りした選手が試合を決定付ける働きをすることもありますよね?)。
 
 
◆落雷リスク検証
下記URLより、落雷発生エリアが分かります。
 
基本的には保険の対象となっていますが、すべてが保険から支払われるか
といわれれば、緊急時対応や報告書作成等は保険対象外となるケースが多いのが現状です。
利益保険に入っていない場合も設備の補修費のみとなる為、
落雷回数をざっくり下記より確認することをお勧めする。
 

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落雷リスク_被雷発生回数

日本列島を一辺20km のメッシュで区切り、メッシュ内の落雷数および落雷日数を2011 年~2015 年の5 年間について積算した全国落雷密度マップおよび全国落雷日数マップ

 

 

◆積害(積雪)リスク検証

 積害リスクの検証時に最も参考になるのが気象庁のデータです!!

近傍気象観測所を確認し、過去最大や最高を事前にチェック

どの程度の積雪が有るかを確認下さい

また積雪の仕様になっていれば、被害が出る事は少ないと思います。

 

設計の際に下記を必ず確認してください。

  ①地面からの高さと最深積雪

  ②パネルと架台が最深積雪のを耐えられる設計もしくは、荷重を逃がす設計

   (パネル角度を30°等)

 

気象庁過去データ

http://www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html

・メッシュ平均値 最深積

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/atlas/snow_cover_13.pdf

 

 

※会社で保有している太陽光設備で、設計が十分でない為、

 パネルが雪の重さ(荷重)で歪む事象有りました。

 保険請求をしましたが、過去にも同じくらいの積雪があったことから、

 保険請求は出来ず設計瑕疵として交渉することになりました。しかし、引き渡しから2年が経過していたため、交渉が難航しました。

 

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積害リスク_最深積雪メッシュ

 

 

◆風害(日最大瞬間風速チェック)

 地域毎に記載されているので、発電所の予定建設地

確認の上、そこが強風エリアの場合、設計上の対応しているかヒヤリングを行って下さい。

こちらも想定を上回る風であった場合は、保険対応が出来ますが、

下記に発生した風速で壊れた場合は、やはり設計瑕疵として戦うことになります。

 

※風に関しては、第三者を巻き込んで損害を与えることにもなるのでご注意ください。

  (賠償責任保険の加入を推奨します)

 

過去の日最大瞬間風速

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/wind_rct/alltable/gust01.html#a11

 

 

自然災害リスクについては、3回に分けてお伝えしました。

他にも細かいところはありますが、主要な所は今回の3回のブログで網羅出来ております。

 

以上。