高精度のCFによる銀行への対処方法
Mihoです。
新規案件の検討状況を共有致します。まず茨木の2号機です。
32円案件で某銀行から内諾を頂くことができました。
建設工事は8月着工見込みと後になりますが、まずは一安心です。
参考になればと思い仕事経験も含め、銀行様への対処方法を下記に記載します。
まずレンダーさん観点は、以下の3つであると考えております。
(1) 経済力
(2) 個人の経営力及び運営能力
(3) 物件のクオリティー
(1) (2)は実力・経験を説明する等しかできませんが、(3)は努力次第で良く魅せられます。特に(3)については、経験、運営実績があればもちろんのこと、無くてもその人の物件に対するこだわりや、どの程度向き合っているかが左右するので努力次第で改善できる点です。(3)の説明が、結局のところ、(2)にも大きく影響します。
今まで物件リスクを多く記載しておりますが、私はそれを別紙に纏めて包み隠さず説明を行っております。その点は高い評価を得ております。その点を踏まえて銀行への説明資料で用いた内容を記載します。
① 案件概要説明資料
まずは、案件の概要を説明する。
・場所、FIT単価、設備容量、PCS容量、土地権利、運転開始時期、工事開始時期等
・登記簿、公図
・パネル配置図
② CF(キャッシュフロー)の前提の説明
業者のCFを送付はしておりますが、確度の高いCFが求められます。
業者様のCFでは抜けている項目が多いので、そこを補填します。
≪織り込むべき費用想定≫
(1)購入電力量
(2)O&M費用(見積書含む)
→緊急時対応費用が別途であれば、実績等を含めて追加で織り込む
(3)発電量アップサイドとダウンサイド
※アップサイドは、増設メリット別途ブログ記載
※ダウンサイドは、影や積雪及び日射量の選定等
(5)現地確認費用⇒年間何回、交通費は?
(6)遠隔監視通信費⇒見積もり取得
(7)償却資産税の計算(手元計算)
(8)法人であれば、免税事業者メリット、償却資産税特例(3年間0円)等
(9)撤去費の積み立て(⇒ガイドラインで推奨、今後は義務化)
(10)修繕費(一般的に設備の5%と言われております)
→パワコン更新費、ヒューズ交換費等
※銀行員が求めるPLと返済計画(金利計算)は別途作成し確認頂く必要がある。
またそれ以外にも、下記を用語を理解し押さえておくと理想的。
≪理解し、準備しておくべき金融用語≫
・IRR(①プロジェクトIRR(税前及び税後を準備)、②EquityIRR)
・DSCR(銀行員が指標とする返済能力を表す指標)
・現在価値
・元利均等と元金均等
※最悪シナリオ(ワーストケース)を用意し、シミュレーションをしておくのもよい。
例:津波が起こって全損
対処:設備コストを掛けて再投資をした場合をシミュレーション
③ 物件リスクとその対処方法を説明
投資リスクについて①~⑪をブログで記載しているので、そこを別紙で纏め、説明が出来るように準備。リスク内容について、十分価値のある内容となる。
※本来は、リスクの補填として、売買契約書や土地契約等も必要ですが、そこの手当ては別途ブログを記載したいと思います。
④ 販売店とのQA表
販売店とどういうやり取りをしているかについて、QAで纏めて持つことをお勧めします。何を聞いて、何と回答しているかを証拠(エビデンス)として持っているだけで、後々紛争となったときの手当てにもなります。
上記を説明する上で、立派なキングファイルにして持っていく纏め持っていくと本気度が伝わるのでオススメします。
あくまでも、個人の見解ですので参考にしてもらえればと思います。
以上です。