パネル性能保証の悲しい実態_投資リスク⑨’
こんにちは!Mihoです。
パネルの性能保証の驚きの実態をご存知でしょうか。
前回『完工検査を推奨する理由』を記載しましたが、そこにも関連する『パネル保証の実態』を記載します。
よくパネル保証もあるから安心だという方が多くございますが、実際にパネルの出力に異常があったときに交換してくれると思いますでしょうか。
それは慎重に情報をとらえる必要があるのでその点を記載しようと思います。こちらは保険会社のセミナーに参加した際に得た情報とメーカーへのヒヤリングの情報を元に記載してます。
◆パネルの性能保証の悲しい実態
結論から申し上げると性能保証はあって無いようなものと考えた方が良い。
残念ながらこちらが悲しい実態です。。。
えー!!!!??まじか。。
と思う方も多いのではないでしょうか。
理由は下記3点です。
①責任の所在が不明であるため
前回のパネルに不具合があったときに、(1)施工会社の責任なのか、(2)パネル及びPCS(パワコン)メーカーの瑕疵か、(3)運転中に起こった瑕疵(OM業者等)なのか、責任を追及するのは困難です。どの時点で壊れたかを特定する必要があります。
まずは完工検査をしていれば、(1)(2)は無いことを完工時点で提示できますが、そもそもそこがないとその時点で困難です。完工検査を行った上で、専門家を入れて議論をするか、論破できる専門家レベル知識を付ける方法があります。
② 検査費用に高額で、交換した方が安いため
皆さん驚くかもしれませんが、パネルの性能保証の発電が出ていないとなった場合に、すぐ交換してくれるかというとまず工場検査を行い性能劣化が確認されたもののみ交換対象となります。
ん?って思いませんか?
※工場検査費用は買主負担で、相場は20~30万円/1枚です。かつ海外の検査場のこともあるとのこと(負担増)。そもそもパネル1枚購入しても1万後半~3万円弱。
つまり、発電が好ましくないパネルがあれば、交換をした方がずっと安いのが実態です。メーカーとしても工場検査を踏まえて出荷しているのに、故障原因が分からないまま無償で交換は難しいのは理解できますよね。
③計器が持っている誤差範囲があるため
性能を図るために必要とされる日射量計、温度計、発電量を計るメーター等の計測機器には測定誤差という計器が持っている誤差範囲があります。これは測量法で定められております。
性能保証値より、5%未満の下振れは対象外となるのが一般的です。それは誤差範囲で定められている計測機器の誤差がある為、3%~5%近くの誤差は認められているからです。
◆パネルの性能保証の意味は?
じゃあなぜパネル性能保証があるかというと
(1)パネルメーカーの技術力の尺度の提供
(2)お客及び銀行への安心感の提供
銀行員の方もほとんどの方がこの実態を知りません。一方でメーカーとしても、メーカー保証をクリアできるレベルの製品を製造しますし、それを検査で下回るものがあれば、信用力も下がり、今後の事業展開に大きな支障となります。残念ですが、これが現実で、そういった観点でパネル性能保証を理解して頂きたい。
※場合によっては、販売店が信頼関係を考慮し、パネルを交換してくれるケース(在庫が余っている等)もあります。
※商社では、パネル保証の実態を踏まえ契約の時点で、パネル在庫品を0.1~0.3%くらい余分に確保して契約します(メーカーによってリスクが異なるので、数値は若干前後します)。
上記を踏まえても、
まずは『完工検査』を行い、
欠品を取り除く方がよっぽと重要です。
性能が出てないものがあったら運が悪いと思って取り替えるしかないのです。今後はパネルの中古市場もFIT切れ太陽光等(注1)で、中古市場も活発になるとされておりますので、比較的安価で交換可能になるかもしれません。
注1;2019年に2009年に家庭用で設置の太陽光が10年のFIT期間を終了します。こちらを2019年問題といいます。こちらに関しては別途ブログを更新予定です。
以上。