投資リスク⑨_『完工検査は絶対にやるべきだ』と思う5つの理由
『完工検査は絶対にやるべきだ』と思う5つの理由
皆さんは設備が無事に完成したときに、完工確認検査(竣工確認検査)をされておりますでしょうか?実施していない方が8割を超えると思いますが、今まで色々なリスクを書きましたが、こちらは特に、特に推奨したいので、少し詳しく記載します。
私は約10万円弱を掛け、完工検査を実施しておりますが、完ぺきな工事などないと思って下さい。何かしらの手直しが発生します。それは大手施工会社でも同じです。その費用で完工リスクを回避できれば安いものかと思います。
◆完工検査をお勧めする理由
①パネルの故障率(不備率)が0.2~3%程度ある
日本製のパネルは、0.2%の故障率。海外製は2~3%の故障率とされており、今の事態は海外製のパネルが圧倒的に安いため、市場の大半を占めております。
低圧で80kWの野立てを建設すると、約300枚のパネル(270Wのパネルの場合)を施工すると、確率論でいうと、海外製の場合、6枚~9枚が壊れている・不備がある可能性があるのです。瑕疵担保保証期間もしくは引渡し前にそれを売主に主張しないと交換して貰えません。
※損失額(パネル9枚(2.43kW)が発電が発電なし、設備利用率13%の場合)
24円の場合、20年間で、1,328千円の損失
21円の場合、20年間で、1,162千円の損失
18円の場合、20年間で、996千円の損失
※検査しなくても発電が出てるから問題ないという方へ
発電量が気にならないかというと、メーカー保証値少し余裕を持っております。よって他のパネルの余裕分でカバーされていることが多いからです。
逆を言えば、検査すればもっと発電が向上する可能性もあります。更に日射量に応じて発電量が異なりますので、日射量計がない限り、比較が物理的にはできませんので、発電しているという判断も現実的には難し状況です。
②目視では分からない不具合がある。
私は約60MW近くの完工検査に立ち会いを行いましたが、やはり、プロはさすがです!
目視では分からないを下記等の確認ができます。
(1)電気的な点検(IVカーブ特性テスト、IR測定等)
(2)ホットセル(発電がされず熱を持ったパネル)の発見
→目視で見つけにくいパネルの不具合(傷や割れ等)をチェック可能。
ある程度詳しくなると、素人でも確認できるポイントは分かってきます(こちらは別途ブログ記載です)が、そもそも電気的な点検だけは専門の資格が必要ですし、感電事故にもつながりますので、素人が変に手を出すのはお勧め出来ません。 またその他にも、電気事業法上の必要な手当てがされているか等はチェックしてくれます。
③完工検査をしないと、責任が転嫁が難しい。
仮に運転開始後にパネルの不具合が見つかったとします。では、それが(1)施工会社の責任なのか、(2)パネル及びPCS(パワコン)メーカーの瑕疵か、(3)運転中に起こった瑕疵(OM業者等)なのか、責任を追及するのが非常に困難です。もちろん、皆さん責任を取りたくないので自分たちは悪くないと主張します。そうなったときに結局、誰も責任を負わせるのが困難になります。
そこで完工検査をすると、少なくとも運転開始前なので施工会社に責任を負わせることできます。その後、施工会社がメーカーと戦うか(例えば搬送中にぶつけた等の瑕疵があったか)を判断することになります。
④中古市場としての売買への価値が向上する。
完工検査をしている物件は、中古としても価値が高いです。なぜかというと上記のリスクを理解している知見のある売主であると評価されるからです。専門家による完工検査をクリアしている物件と言われると安心感はないでしょうか。
個人ではまだ中古市場(セカンダリーマーケット)が普及しておりませんが、企業では既に普及しており、信頼出来る売主は完工検査をしている、もしくは自らメーカーで自らチェックしていることが多いです。
⑤太陽光事業の知見を得ることが出来る。
私は、10万円の完工検査は勉強代としても、安いもんだと思いました。検査中はどんな検査をしているかを見ることが出来ます(何をしているか聞くと丁寧に教えてくれます)。検査後に立派な報告書を頂けます。
専門家が今まで蓄積したノウハウが色々な所に垣間見れます。20年間太陽光を運営する上でも非常に参考になる知識が沢山あります。それをたった10万円で学べるって凄くないでしょうか?
◆完工検査のお勧めの業者
お勧めする業者は、E社のソ〇パトさんです!
お勧めする理由は、5000件以上の検査実績。国内企業では数社しか取り扱いのないEL検査(注1)を個人レベルでも実施可能。そして費用が10万円程度。
会社でも取引がある会社で、対応も含め信頼出来ます。太陽光EXPO等にも出店されております。上記のHPに連絡し、『完工検査をしたい』とお伝えすれば見積もりを頂けると思います!E社さんを疑う販売業者も聞いたことがないですし、業界では有名な企業です。
注1:EL検査
目視では確認できない出来ない劣化や不具合を特殊な検査機器を用いてチェック。報告書でもこの画像が添付されているので、安心できます。
今回は完工検査の必要性について記載していきましたが、いかがでしたでしょうか。
投資に対する10万円は決して安いわけではなく、費用を持つことで表面利回りも0.1~0.4%くらい効いてくる(悪化する)ではないでしょうか。
それでも損失する可能性がある金額と比較すると、やはり実施することをお勧めします。そして別途公開予定ですが、売買契約書もしくは工事請負契約書等でもその検査に合格することを予め契約書に記載する等の手当てをして頂きたく存じます。
以上。